行政書士はやし事務所・公開業務日誌30

      
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2016年1月6日(水) タイトル:「台湾会社の支店設置」

すっかり忘れていました。

気がつけば2016年。何と2015年は一度もこの業務日誌を更新していないじゃないですか!!

「ついこの前」更新したつもりが1年以上、、驚くべき年月の過ぎ行く速さ!

過ぎてしまったものはしょうがないので、2015年を一言でまとめます。

「いつもと同じ」

プライベートでは妻が病気をしたりいろいろありましたが、仕事は特に変化なし。

いや、いくつか新しい仕事はやったかな。

一つはミナミのバーの風営法の許可申請。実は風営法の許可申請については、何度か依頼があって途中までやったことはあったんですが、最後まで自分できっちり出来たのは初めて(とは言え図面の作成は外注しましたが)。次からはバッチリできそうです。

もう一つが台湾の会社の支店(営業所)設置。

これが結構大変でした。

そもそもこのような仕事は通常請けていないんですが、会社設立の依頼も同時にあり、急いでいるというのでお請けしました。

ご存知のように日本は台湾とは正式な国交が無く「一つの中国」、つまり台湾は中国の一部分という立場を取っています。

でも現実的には、日本の会社が台湾に支店を出したり、その逆もあるわけですね。その「逆」に当たるのが今回のお仕事。

基本的に外国関係の仕事はほとんどやってこなかったので全然分からないです。そこでまずはネットで調べて、法務局で聞いて、領事館に何度も電話して、依頼者様には何度か台湾に行ってもらい、よ~やく設置完了しました。

やれば何でも出来るのは分かっているので、出来るだろうとは思ってましたが、予想以上に苦労しました。

台湾の大阪にある領事館に聞いたところでは「前例が無い」と言うんです。台湾の会社が大阪領事館の管轄内に支店を出すってことが。だから「手続が分からない」と。

手続の基本的な流れとしては、まず台湾の会社の存在(どういう会社か)を証明しなければならなくて、日本で言う定款や登記簿謄本を取寄せて翻訳します。

でもそこに書いてあることが、そのまま日本の登記するべき事項に当てはまるわけではないので、当てはまらない(書かれていない)部分は、会社の代表者が「宣誓供述書」というものを作って、公証役場的なところで認証してもらわないといけない。それを登記申請書に添付して日本で登記するという流れなんです。

登記事項が全て定款と登記簿謄本に書いてあれば宣誓供述書は不要なんですが、今回は必要でした。(「公告の方法」や日本の代表者の選任に関する記載がないので)

この「宣誓供述書」の作成とその認証が非常にやっかいでした。

まず宣誓供述書に何を書くべきか。これは日本の法務局で確認を取るわけですが、誰に聞いても答えが曖昧で「まぁそんな感じでいいんじゃないですか」みたいな回答。

おまけに依頼者が支店をどこに出すか決めかねていたので、最終的にどこの法務局に聞けばいいのか分からない。

そして台湾の領事館(担当者)は「前例が無いので分からない」。どこで認証してもらえばいいかも分からないと。

そこで仕方が無いので、私が宣誓供述書を作って「これでいいですか?」と確認を取っていきました。

ここで問題となったのが「台湾」という国名。会社の住所や、準拠法に出てくるんですが、日本では登記できなんです。「一つの中国」だから。一方台湾の公証役場では「台湾」でないと認証してくれない。

そこで宣誓供述書には「台湾」と書き、日本で登記する際には、その翻訳に「中国」と記載するという方法を取りました。(偶然にも「台湾=中華民国」と「中華人民共和国」がどちらも「中国」なので使える方法です。)

で、法務局、領事館から「たぶんOK」みたいな返事を得たので、見切り発車です。「宣誓供述書」の認証は台湾の公証役場等2箇所と大阪の領事館で計3回必要ということになりました。

台湾へは依頼者本人に行ってもらったわけですが、ここで計算外の出来事が。

依頼者にはこーしてあーしてと説明して、こんな書類をもらってきて下さいと言っておいたんですが、台湾の公証人が「いや、そうじゃない、こうだ!」と言ったそうで、肝心の「宣誓供述書」の認証をもらわずに帰ってきてしまったんです。(「エェェェ!!」ですよ)

幸い依頼者は頻繁に台湾と日本を行き来する人なので、旅費的な負担は多分なかったと思うのですが、それで2週間ほど時間のロスです。

再度台湾の公証役場で今度は宣誓供述書の認証をしてもらい帰ってきたのですが、本来は台湾語の書類を公証人が作成し、それを認証して、その翻訳を登記の際に添付するはずだったのが、私が作った日本語の書類にハンコをおしただけ。

そもそもマニュアルと違うし、こうなると「台湾」という国名の記載を翻訳の時点で「中国」に直す方法が使えない。

とにかくこれでいいかどうかを法務局に確認すると、最初の担当者は「う~ん、それはまずいですね」と言ってたんですが、最終的には登記事項を記載するCD-ROMに「中国」としておけばOKだと。

ここまで来れば安心かと思いきや、最後には会社の称号の中の一つの漢字が日本には無い漢字だから使えないと。その部分だけカタカナにするか、全部カタカナにするか、その漢字を日本にある別の漢字に変えるかの選択が必要となり、ここでまた数日のロスが出たんですが、これは法務局の担当者の間違いで、結局その漢字は使えました。

このように幾つかのハードルを超えてようやく「前例の無い」台湾の会社の日本の営業所が設置されたのです。

せっかくここで手続をマスターしたんだから、これをお仕事にしたいところですが、「前例が無い」ってくらいレアなケースみたいだから、たぶん次にこんな依頼があるのは10年後くらいかな。

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